GIMPにはいろいろな範囲選択ツールが用意されていますが、共通の機能として加算モードというものがあります。これは離れている複数の場所を選択範囲にしたいときに使うもので、ツールオプションの「選択範囲に加えます」をクリックしておきます。
これはキーボードのShiftキーを押しながら範囲選択をしても同じです。
この機能は違う選択ツールの間でも使うことができ、これによってGIMPでは柔軟な画像加工を可能になっています。
失敗するかも?だって人間だもの
1、2箇所であれば問題ありませんが、長い時間をかけていくつもの場所を選択範囲にしてきたのに、最後にうっかりミスってしまったら目も当てられません。
操作を失敗しないまでも、作業の途中でコンピュータがフリーズしてしまい、これまで行ってきた範囲選択が無駄になる可能性もあります。
あらゆる資料作成の基本として、ある程度作業が進んだらマメにデータを保存しておくことは欠かせません。GIMPの範囲選択の進捗状況をセーブしておく方法として「パス」ツールを活用してみます。
選択範囲はパスに変換できる
実は、選択範囲はパスに変換することができます。パスツールは滑らかな曲線や複雑な図形を作成する際によく使われるものですが、範囲選択の進捗状況をセーブしておくことにも使うことができます。
まずは切り抜いたりコピーしたい部分を選択範囲にしておきます。
メニューの「選択」→「選択範囲をパスに」をクリックすると、
「パス」ダイアログに新しいパスが追加されます。
右クリックメニューの「パス名の変更」をクリックすると名前を変えることができるので、あとでわからなくならないように分かりやすい名前を付けておくとよいです。
範囲選択する→パスに変換する作業を、必要な部分を選択範囲にできるまで繰り返します。
ダイアログの下部分のアイコンからも操作ができます。マウスをもっていくとツールチップで操作のヒントが表示されるので、こちらを参考に作業してください。メニューへ言ったり来たりするよりはこちらのほうが効率が良いと思うので、積極的に使っていきましょう。
作業がある程度進んだらxcfファイルに進捗状況を保存しておきます。これで突然コンピュータが固まっても、最初から選択をし直すような事態を避けることができます。
パスを選択範囲に戻す
必要な部分をすべてパスに変換できたら、今度は選択範囲に戻さなければなりません。選択範囲に戻したいパスをダイアログでクリックしておき、メニューの「選択」→「パスを選択範囲に」をクリックすると、パスが選択範囲に戻ります。
次に追加したい選択範囲の上で右クリックすると、メニューに「選択範囲に加える」とあるのでこちらをクリックします。
これで2箇所が選択範囲となりました。
同じ操作を必要なだけ行えば、複数の箇所を選択範囲とすることができます。
まとめ
複雑な形を選択範囲としたいとき、ちょっとずつ選択範囲にしていってパスとして保存し、最後に選択範囲を加えていくといった使い方もできます。今回は複数の場所を選択する前提で解説しましたが、途中で失敗してやり直すことを防ぐことにも活用してみてください。
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