GIMPにレイヤーとして読み込んだ画像をきれいに並べる方法はいくつかありますが、キャンバスの端から何ピクセル離して置きたいといった用途ではガイドのほうが便利です。
以前にグリッドを使って画像を並べる記事を書きましたが、グリッドは一定の間隔になっている格子状の交点を使うしかないため、少々自由度に欠けるところがあります。
GIMPでグリッド(格子線)を使って画像を正確に配置してみる
ガイドはいちいち一本ずつ設置しなければなりませんが、好きな位置に配置できるのでグリッドよりも使い勝手はよいです。今回は単純に画像を並べるだけでなくそのほかにいくつかの応用を紹介しますので、GIMPによる画像編集のヒントにしてみてください。
ガイドを使う前に
まずは作業をはじめる前に準備をします。メニューの「表示」から「ガイドの表示」と「ガイドにスナップ」、「ルーラーの表示」にチェックを入れておきましょう。
スナップを使うといちいち虫眼鏡ツールで拡大しなくても、1ピクセルもずれることなく操作ができるのでおすすめです。
ルーラーはキャンバスの左と上に表示される目盛りのことです。ガイドに連動しますので、表示しておいたほうが便利でしょう。
ガイドの置き方
ルーラーの上で左クリックし、そのままキャンバスへ向けてドラッグしてください。これで水平方向のガイドを作成することができます。
垂直方向のガイドを作成するには、左側にあるルーラーで同様の操作を行ってください。
この方法は複数のガイドを手軽に作成するには便利なのですが、フリーハンドになるため正確な位置決めには向いていません。きちっとしたデザインにしたいなら次のようにします。
メニューの「画像」→「ガイド」とたどっていくと、「新規ガイド」とあります。
パーセントとピクセルの2種類の方法があります。
「新規ガイド(パーセントで)」をクリックすると、次のダイアログが表示されます。
方向には水平と垂直があり、キャンバスの左と上が0%、右と下が100%になります。
例えば、640X400ピクセルのキャンバスに水平:80%、垂直:30%でガイドを設置するとこうなります。
「新規ガイド」をクリックすると、次のダイアログが表示されます。
こちらは原点からの距離をピクセル単位で指定する方法で、原点はキャンバスの左上になっています。
例えば、640X400ピクセルのキャンバスに水平:150ピクセル、垂直:500ピクセルでガイドを設置するとこうなります。
ガイドの移動
一度設置したガイドは動かすことができます。ガイドがある状態で「移動」ツールをクリック。
ガイドにマウスポインタを近づけると、赤い点線に変化するはずです。
この状態で左クリックでドラッグすると、好きなところに移動することができます。
ガイドの消去
メニューの「画像」→「ガイド」→「すべてのガイドを削除」をクリックすればガイドを削除できますが、これだと設置したものが全部消えてしまいます。
一本だけ消したいときには次のようにします。先ほどのように移動ツールでガイドを動かせる状態にしたら、これをキャンバスの外に持っていってください。キャンバスの外であれば、どこでも構いません。
ガイドを一本だけ消すことができます。
最後に置いたガイドを消去したいなら、キーボードのCtrl+Zでひとつ前の状態に戻すことができます。
画像を並べる
GIMPを使って画像を並べる方法は、以前にこちらの記事で紹介しました。
こちらは単純に画像を並べるだけであればわずかな手順で一発で並べられる便利な方法なのですが、「キャンバス左上の原点から(○○, △△)離れた場所を基点に、××ピクセルずつ隙間をあけて画像を並べたい」といった使い方には不向きです。
また、画像を移動ツールで選択し、画面を拡大してルーラーの目盛りを見ながらキーボードの十字キーを連打して位置を決めるのも面倒です。
このような柔軟な方法で画像を配置するにはガイドを使うのが最適です。640X400ピクセルのキャンバスに幅が150ピクセルの画像を3枚並べてみます。
キャンバス左上の原点から(30, 50)ピクセル離れた位置を基点とし、30ピクセルの隙間があくようにガイドを作成します。具体的には、ピクセル指定で水平が50、垂直が30、180、210、360、390でガイドを置きました。
あとは移動ツールで画像を動かしてあげるだけです。スナップが有効であれば画像の端っこがガイドの交点にピタッと吸いついてくれます。
ガイドとスナップの組み合わせを使えば、拡大しなくても1ピクセルもズレることなく位置を決められるのでとても便利です。
四角を横に並べる
横や縦に並んでいる四角を作成すると言い換えればよいでしょうか。
Webデザイン界隈では、Photoshopを使ってブログやホームページのデザインを行うことが多いです。例えば、カード状のレイアウトなどを見たことはないでしょうか?なんとなく意識して作ってみましたが。
四角形の大きさや位置はツールオプションから決めることもできます。矩形選択ツールを使って、適当な場所と大きさに四角形を作成し、座標やサイズを決めてから塗りつぶせば四角形になります。
もちろんこの方法でもできるのですが、ガイドを活用すると後から位置や大きさを変更したいときに柔軟に対応できます。ワンポイントに使うアイコンや画像の位置決めにも便利です。
まずは置きたい場所に目的の大きさの四角形になるようにガイドを作成しておきます。
矩形選択ツールをクリックし、適当に四角を作ります。
点線がウネウネしている四角形の四隅に小さい四角形があります。マウスをこの上にもってくるとサイズ変更モードに切り換わりますので、
ガイドの交点までドラッグ&ドロップします。スナップを有効にしてあるので、拡大しなくても1ピクセルもずれることなくサイズを変更することができます。
反対側にも同様の操作を行えば、好きな場所に好きな大きさの四角形を作成することが可能です。
この状態で塗りつぶしツールをクリックし、塗りたい色を指定すれば四角形の完成です。
ガイドを次々と作成して同様の操作を行えば、横に並んだ四角形が出来上がります。
この後はガイドを追加して、アイコンや画像、テキストなどを配置していけばデザインレイアウトを作成することができます。
作業をしていて気づいたのですが、最初に大きさやガイドの位置を紙などでしっかりとデザインしておいたほうがいいと思います。デザインを気にしながらガイドなどの位置を決めたりするのは結構大変です。
決められた範囲に文字を収める
写真の上にテキストを表示したい場合に、決められた範囲からはみ出したくないときがあるかもしれません。そのようなときにもガイドが活躍します。
次のような画像にテキストを挿入したいとします。こちらも写真ACさんからお借りしたものを少し切り取って、不透明度50%でグラデーションをかけたものです。
テキストの範囲をガイドで作成します。
テキストツールをクリックしたら、ガイドの内側を左クリックしてください。
マウスポインタを近づけるとサイズ変更モードになりますので、グリッドの交点までドラッグ&ドロップします。
スナップを有効にしてあるので、拡大しなくても1ピクセルもずれることなくサイズを変更することができます。
反対側にも同様の操作を行います。
テキストの範囲が決まりましたので、文字を入力していきます。
私の環境ではデフォルトのフォントサイズが18ピクセルだったので、少し大きい気がします。これをこちらのダイアログを使って修正していきます。
GIMPでのテキストの修正は少しクセがあるかもしれません。初心者は手こずるかもしれませんので、よろしければこちらも参考にしてください。
発見!フォント選びが捗るGIMPの小技 | Naokix.net
細かい修正をしたら完成です。ついでなのでガイドを追加して塗りつぶすと、
それっぽくなるのではないでしょうか。なんとなくブログのヘッダー画像を意識してみました。
Comment